ED outpatient
高脂血症は、現代社会における成人病の代表格であり、多くの人々がこれらの疾患に悩まされています。これらの病気は生活習慣病とも呼ばれ、食生活や運動不足などの日常生活の中で形成されることが多いため、治療としては薬物療法だけでなく、生活習慣の改善も重要視されます。しかし、治療の基盤となる薬物療法に関しては、近年、非常に効率的な方法が注目されています。それが、Do処方外来、すなわちオンラインでの診療と処方箋の発行です。
Do処方外来とは?
Do処方外来は、文字通り「行う」、「実施する」という意味の「Do」から名付けられています。このシステムでは、患者は医師と直接面会することなく、オンライン通信を通じて診療を受けることができます。診療の過程で、医師は患者の症状や健康状態を評価し、必要な薬を処方します。そして、その処方箋は電子的に薬局に送られ、患者は指定した薬局から薬を受け取ることができるのです。
高脂血症の治療における利点
高脂血症のような慢性的な疾患は、定期的な薬の処方が必要ですが、毎回医療機関を訪れるのは時間的、経済的負担が大きいです。特に、症状が安定している場合や、生活習慣の改善によって病状がコントロールされている場合、医師との対面診療の必要性は低くなります。このような状況でDo処方外来を利用することで、患者は時間とコストを節約することができ、生活の質を向上させることが可能です。
実施にあたっての考慮事項
Do処方外来を実施するにあたっては、いくつかの考慮事項があります。まず、患者と医師の間で十分な情報共有が必要です。オンライン診療では、対面診療と比較して、患者の症状や体調を直接観察することが難しいため、患者自身による正確な情報提供が求められます。また、セキュリティ面でも、患者の個人情報や健康情報が適切に保護されるよう、十分な対策が必要です。
処方可能な医師
医師名 現在の職位・元の職位 リンク先
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高脂血症の治療におけるDo処方外来の利用は、多くのメリットを提供します。高脂血症の治療において、中性脂肪を低下させることは重要な目標の一つです。日本で処方されている薬剤の中で、特に中性脂肪に対して効果的で、安全性が高く、Do処方に適している薬剤を以下に挙げます。これらの薬剤は、比較的副作用が少なく、患者の生活の質を大きく損なうことなく、遠隔医療の枠組み内で効果的に管理できる特性を持っています。
1. EPA(エイコサペンタエン酸)製剤
例:エパデール、オメガトリン
理由: EPAはオメガ3脂肪酸の一種で、中性脂肪のレベルを効果的に下げることが知られています。心血管疾患のリスクを低減する効果も期待されています。EPA製剤は一般的に副作用が少なく、長期間の服用に適しており、Do処方での管理が容易です。
2. フィブラート系薬剤
例:ベザフィブラート、フェノフィブラート
理由: フィブラート系薬剤は中性脂肪を効果的に低下させることができ、HDL(善玉)コレステロールのレベルを上げる効果もあります。肝機能への影響を考慮する必要がありますが、定期的な血液検査で適切に管理されれば、Do処方に適しています。
3. オメガ3脂肪酸製剤
例:オメガ3酸エチルエステル90
理由: この薬剤はEPAとDHA(ドコサヘキサエン酸)の組み合わせを含み、中性脂肪のレベルを効果的に下げることができます。心血管リスクの低減にも寄与する可能性があります。一般的に副作用が少なく、Do処方でのフォローアップがしやすいです。
商品名:
エパデール®
エルペント®
ロトリガ®
オイコサ®
トリノバ®
4. ニコチン酸(ナイアシン)製剤
例:ナイアスパン
理由: ニコチン酸は中性脂肪を低下させるとともに、HDLコレステロールを増加させる効果があります。フラッシング(顔のほてり)などの副作用がありますが、これは予防または管理が可能です。適切な指導とフォローアップのもとで、Do処方に適していると言えます。
現在、日本で処方されている高脂血症の薬で、LDLコレステロールを低下させる薬剤の中で、安全でDo処方にむいている薬剤は以下の薬剤です。
1. スタチン系薬剤
例:アトルバスタチン、プラバスタチン
理由: スタチンはLDLコレステロールを低下させる最も一般的な薬剤で、心血管疾患のリスクを効果的に減少させます。副作用は比較的少なく、特に筋肉痛や肝機能障害に関しては、定期的な血液検査によりモニタリングが可能です。そのため、Do処方での管理がしやすいと考えられます。
商品名:
リピトール(アトルバスタチンカルシウム)
ゼロコール(シンバスタチン)
メバロチン(プラバスタチンナトリウム)
リバロ(ピタバスタチンカルシウム)
クレストール(ロスバスタチンカルシウム)
プラバコール(プラバスタチンナトリウム)
スタチンの適応
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高LDLコレステロール血症: スタチンは、LDLコレステロールを有意に低下させることができます。
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心血管疾患の予防: 既往歴のある患者や高リスク患者において、心筋梗塞や脳卒中などのリスクを低減します。
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家族性高コレステロール血症: 特に重度の高コレステロール血症を持つ患者
スタチンの副作用
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筋肉関連の副作用: 筋肉痛、筋炎、稀にラブドミオリシス(筋肉組織の崩壊により生じる重篤な状態)が発生することがあります。
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肝機能障害: 肝臓の酵素が上昇することがあり、稀に重篤な肝障害を引き起こすことがあります。
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糖尿病: スタチン使用者において新規に糖尿病が発症するリスクがわずかに上昇することが示されています。
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神経系の副作用: 頭痛、めまい、記憶障害などが報告されています。
服用上の注意点
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定期的な血液検査: スタチン使用中は定期的に血液検査を行い、肝機能と筋肉酵素のレベルを監視する必要があります。
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他の薬剤との相互作用: スタチンは他の薬剤と相互作用する可能性があるため、使用しているすべての薬について医師に報告することが重要です。
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妊娠と授乳: スタチンは妊娠中や授乳中の女性には推奨されません。使用前に医師と相談してください。
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生活習慣の改善: スタチン治療は、健康的な食事、定期的な運動、禁煙などの生活習慣の改善と併用することが最も効果的です。
2. エゼチミブ
例:エゼトロール
理由: エゼチミブは小腸でのコレステロールの吸収を阻害し、LDLコレステロールを低下させます。スタチンと併用することで、LDLコレステロールのさらなる低下が期待できます。エゼチミブ単独でも副作用は少なく、Do処方に適しています。
商品名:
ゼチーア
エゼチミブ
エゼトロール(エゼチミブ)
エゼチミブの主な作用
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小腸からLDLコレステロールの吸収を抑制する
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LDLコレステロール値を約15~25%低下させる
エゼチミブの適応
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高コレステロール血症
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家族性高コレステロール血症
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冠動脈疾患二次予防
エゼチミブの副作用
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軽度の下痢
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腹部不快感
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筋肉痛
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倦怠感
エゼチミブの服用上の注意点
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他の薬剤と併用している場合は、医師に相談する
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肝臓や腎臓の機能が低下している場合は、注意が必要
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妊娠中または授乳中の場合は、医師に相談する
PCSK9阻害薬は、オンラインでのDo処方ができません。
理由: PCSK9阻害薬は、LDLコレステロールの肝臓におけるクリアランスを促進し、血中のLDLコレステロールを大幅に低下させます。注射薬ですが、定期的な自己注射で管理され、特に高リスク患者において効果的です。副作用は比較的少なく、Do処方の枠組み内でのフォローアップが可能です。
PCSK9(プロプロテインコンバーチン酵素サブチリシン/ケックスインタイプ9)阻害薬にはいくつかの商品名があります。
日本で使用されているPCSK9阻害薬には、以下の2つの製剤があります:
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エボロクマブ (商品名: レパーサ®):
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成分名: エボロクマブ
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製剤: 140mgの皮下注シリンジ・ペン
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製造元: アステラス
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アリロクマブ (商品名: プラルエント®):
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成分名: アリロクマブ
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製剤: 75mgおよび150mgの皮下注シリンジ・ペン
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製造元: サノフィ
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これらの薬剤は、LDL受容体を増やして血中のLDLコレステロールを低下させる効果を持ち、スタチンと併用することで相乗効果が期待されています
PCSK9阻害薬は、従来の治療ではLDLコレステロール値を十分に下げることが難しかった患者さんにとって有効な治療薬ですが、いくつか注意点があります。
適応
PCSK9阻害薬は、以下の患者さんに適応されます。
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家族性高コレステロール血症(FH):遺伝的にLDLコレステロール値が高くなる病気
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冠動脈疾患二次予防の高リスク症例:過去に心筋梗塞や脳梗塞などの心血管イベントを経験した患者さんで、LDLコレステロール値を厳格に管理する必要がある方
副作用
PCSK9阻害薬の主な副作用は、以下の通りです。
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注射部位の反応:痛み、赤み、腫れなど
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アレルギー反応:じんましん、発疹、かゆみなど
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インフルエンザ様症状:発熱、頭痛、倦怠感など
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肝機能障害:AST、ALTの上昇など
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筋肉痛:筋肉の痛みやだるさ
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血糖値上昇:糖尿病患者さんで注意が必要
これらの副作用は、多くの場合軽度で自然に改善されますが、重篤な副作用が起きる可能性もあります。
費用
PCSK9阻害薬は、非常に高価な薬剤です。2023年12月現在、1ヶ月あたりの薬価は約30万円です。
長期的な安全性
PCSK9阻害薬は比較的新しい薬剤のため、長期的な安全性はまだ十分に確認されていません。
併用薬
PCSK9阻害薬は、他の薬剤と併用することで、効果や副作用が変化する可能性があります。
PCSK9阻害薬のオンライン診療ができない理由
PCSK9阻害薬は、以下の理由からオンライン診療では処方できないことになっています。
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高価な薬剤であるため、対面での診察で患者さんの状態を十分に確認する必要がある
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副作用のリスクを十分に説明する必要がある
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長期的な安全性についてまだ十分に確認されていないため、定期的な診察が必要
PCSK9阻害薬の投与を検討している場合は、専門医に相談してください。
これらの薬剤は、LDLコレステロールを効果的に低下させることができ、比較的安全性が高いため、Do処方に適しています。しかし、Do処方を行う際には、患者の健康状態や他の服用薬との相互作用、潜在的な副作用について十分に考慮し、定期的なモニタリングを通じて適切な管理を行う必要があります。患者教育と自己管理の能力の向上も、治療成功のためには不可欠です
薬価
PCSK9阻害薬の薬価は、1ヶ月あたり約30万円です。
3割負担額
3割負担額は、70歳未満の方の場合、3割となります。70歳以上の方の場合は、1割負担または2割負担となります。
日数
1ヶ月分の薬を処方された場合、日数は30日となります。
自己負担金の例
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70歳未満の方が、1ヶ月あたり30万円のPCSK9阻害薬を処方された場合:
自己負担金 = 30万円 × 3割 × 30日 = 約9万円
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70歳以上の方が、1ヶ月あたり30万円のPCSK9阻害薬を処方された場合:
1割負担の場合:自己負担金 = 30万円 × 1割 × 30日 = 約3万円
2割負担の場合:自己負担金 = 30万円 × 2割 × 30日 = 約6万円
高額療養費制度
自己負担金が高額になった場合は、高額療養費制度を利用することで、一定額を超えた分の自己負担金を返還を受けることができます。